リップスティック ’13

おもに海外の映画やテレビドラマを観た感想を書いています。

ゲット・アウト

ゲット・アウト(原題:Get Out、2017年アメリカ合衆国、TOHOシネマズ新宿にて鑑賞)

f:id:HMMGT:20171119212002j:plain


ネットでは傑作と誉れの高い本作品、監督はアフリカ系アメリカ人のコメディアンで自分の日常で出会った数々の人種差別的な違和感をホラー仕立てに作り上げた。でも、ホラーと言い切るのはちょっと違和感がある。コメディの部分もあり、SFもある。SFというよりムー的な展開。私はこのムー的展開がとても好き。ワクワクさせられる。
ホラーの部分は、わりとベタに脅かしてくる。私の隣の席は3人組の男子高校生で各自ポップコーンとジュースを飲み食いするという王道のスタイルで鑑賞していた。その中でも怖がりさんが一人いて、ばーーーーんみたいな怖い音が鳴ったとたんいきなり人が出てくるという王道ホラーシーンでは、「怖ぇって、あいつこえええって」と小さいながらもはっきり聞こえる声で級友に助けを求めていた。私は神経質で普段映画館でしゃべるようなマナー違反者には家で鑑賞してんじゃねえぞとイライラしがちなのだけど、正しく怖がっている若者といっしょに見られて楽しかった。映画館で見てよかった。
日本に住んでるとアメリカの黒人に対する人種差別がどういったものかは分かりにくい。テレビで流れるようなわかりやすい人種差別にまつわるニュースなどではなく、この映画では差別されている人たちが日常生活を送っていると無数に感じるであろう違和感とあきらめがとても分かりやすく見せてくれる。そして、黒人が白人社会で見せる顔と黒人同士の時の顔の違いもよかった。セリフではほとんど差別に関して語られることはない。わかりやすい差別・言い尽くされているような差別はさらっと描き、それじゃないんだ、いつも大きな声で言われないことが言いたいんだよという監督からのメッセージだと思った。

決してイデオロギーをメインにしてるのではなく、娯楽映画としても楽しめる。そこがヒットした原因だと思う。イデオロギーは共有してない人には何が何だかさっぱりわからないから伝わらない。伝わらないと作った意味がないと思うので。

f:id:HMMGT:20171119212044j:plain

主演の役者はボビー・オロゴンに似ていたので、「おまえ、ふざけんなよ」と脳内でときどきボビーの声で変換されたりして、映画とは全然関係ないところで笑えた。(この写真は全然似ていないけど

f:id:HMMGT:20171119212128j:plain


この映画は同じ主役の人でダイ・ハードみたいにシリーズ化してほしい。「また、お前か!」みたいな感じで、面倒に巻き込まれて欲しい。そして、最後はもちろん彼が…きて…10作くらいできると思う。

あとキャスリン・キーナーが太ったおばあちゃんになっててびっくりした。二度見した。「40歳の童貞男」の時は、きれいだったのに。ついこの間なんて思ってしまうけど、もう12年も前なんだ…。そのときも、若くて子供を作ったのでもう孫がいる役で、まあもうすでにおばあちゃんだったんだけど。

 

40歳の童貞男 無修正完全版 [DVD]

40歳の童貞男 無修正完全版 [DVD]

 

 

 キャサリン・キーナーマルコヴィッチの穴」のときは、個性的な美人でした。黒髪のボブで真っ赤な口紅が印象的。キャメロン・ディアスよりいい女の役でした。

f:id:HMMGT:20111219101504j:plain

 

 

ラ・ラ・ランド

ラ・ラ・ランド(原題: La La Land、2016年アメリカ映画、JAL機内にて鑑賞)

f:id:HMMGT:20170307231920j:plain


タイトルは、ラララ〜と口ずさんだのではなくて、ハリウッドの別称なんだそうな。

アルクより

la-la land
〈米俗〉〔麻薬や酒に酔ったときに味わう〕陶酔境、恍惚、我を忘れた境地◆La-La Landとも表記される。
〈米俗〉ハリウッド、ロサンゼルス◆ロサンゼルス全体を指すこともあるが、特にハリウッドについて使われる場合が多い。

上海の帰りの飛行機で鑑賞。機内アナウンスで中断されたり、なぜかホーム画面に戻ったりして落ち着いて見れませんでした。

それでも、オープニングのダンスシーンは今すぐ踊りたくなる高揚感がありこれから始まるぞというわくわく感でいっぱいになりました。
ほどなく、恋に落ちる主人公の男女が出てきて、CMで繰り返し流れている「あなたのピアノ…」と女が声をかけながら男に近づくと即キスをするシーンがはじまるであろうとシーンになります。

が、そうではありません。飛行機のアナウンスで中断されたりしたので何かを見落としたのかと何回か巻き戻したり早送りしたりしてしまいました。それは、このシーンだけではありません。行ったり来たり、飛行機で見るのには全く適してない映画でした。何度かの「行ったり来たり」でこれはこういう映画だと理解できましたが。予告編では最初のシーンを使って欲しかった…

それが気持ちにがっちりとはまる場合もあるのですが、飛行機のせいだとしても、この映画にはありませんでした。むしろ、どんどん醒めてしまいました。
昔のハリウッドのミュージカル映画は、深刻なドラマを描くものは少なく、基本ソフィスティケートに描かれます。上っすべりになりやすいジャンルです。この映画の場合は特に喧嘩のシーンがめちゃくちゃ滑ってました。言いたいことはよくわからないけど、どこかで聞いたことあるセリフ…むしろ、ここも歌って踊ればいいのにって思ってしまいました。そしたら、全体的にまとまるのではないかと。

この映画がいろんなところで批判されている部分は私も大体同じように感じました。ピアノや踊りに説得力がないなど…でも私が一番嫌だったのはラストシーン。昔の若いときのほろ苦い恋の思い出をブリザードフラワーのように永遠にきれいな思い出にしてしまったことです。今現在の相手にはものすごく残酷です。横にいるのに常に寂しさを感じているはずです。いやーな気分になってしまいました。そもそも、時代設定は50年代風現代で携帯があるんだから、好きだったら連絡取りあえるだろって思ってしまいました。絶対お互いこっそりでもSNSチェックしてるはずだと。

と、結局映画に全然乗れませんでした。それと女性たちの洋服もペラペラすぎて好きじゃなかった。色にはこだわってたけど、夢のようなオールドハリウッドのミュージカル映画は衣装も夢のようにすごいから。テクニカルカラーなんて天国みたいなので。

 3/16追記:

このレビューが最高でした。私のいいたいことをほとんど言ってくれた!さすがライターさん、うまい。

note.mu

007 スペクター

007 スペクター(原題:Spectre、2015年イギリス映画、アマゾンプライムにて鑑賞)

f:id:HMMGT:20161224224534j:plain


前回のスカイフォールに引き続き、女は俺に抱かれたがっているからOKというセクシストぶりで進んでいくボンドさん。
モニカ・ベルーチが演じる組織の一員の未亡人はかなり拒否していたにもかかわらず抱きます。しかも、お代とばかりに抱いた後は命を助けるのです。ボンドより年上のボンドガールってどうよ!?って公開当時は言われていたのですが、確かに年取った。もっと肌のきめがわからないように撮ることはできないのでしょうか?画面いっぱいドアップになるのだから、男も女も肌はきれいに撮って欲しい。
モニカ・ベルーチはメインボンドガールではないので、出演場面はほんの少しです。メインのボンドガールはレア・セドゥ。ブロンドでスタイル抜群の美女。この人の魅力が出てるようには感じられませんでした。そんなに頭が切れる感じもせず、魅力のあるアクションでもなく。ボンドが本気で好きになる意味がわかりませんでした。でもまあ、007のボンドガールは付け合わせなのです。そこまで魅力的でなくてもいいのでしょう。
ヒーローたるボンドが引き立つのは悪役あってのことなのですが、今回の悪役は、タランティーノ作品で二度のアカデミー賞に輝くクリストフ・ヴァルツ。「イングロリアス・バスターズ」の悪役は最高だったので、ついつい比べてしまうわけですが、この映画ではイマイチ。普通の回転いすに乗って移動するところなんて、「ちっさいおっさん」とうっかり思ってしまいました。もしかして滑稽に見せたかったのかもしれませんが。
悪役がイマイチだと最後のカタルシスが少なくなりますよね。それを思うと、スカイフォールハビエル・バルデムの悪役は最高でしたね。

f:id:HMMGT:20161224224905j:plain

 

 

スカイフォール

スカイフォール(原題:Skyfall、2012年イギリス・アメリカ映画、アマゾンプライムにて鑑賞)

f:id:HMMGT:20161224190558j:plain


最近は、もっぱらアマゾンプライムビデオばかり見ています。
今更、スカイフォールを見ました。
ついこの間と思っていたら、2作前になるんですね。時がたつのは早いです。


ダニエル・グレイクがボンドについて「彼に憧れますか?」とかなんとか聞かれて、「は?あのセクシストに?んなわけねぇだろ」みたいなことを言ってて、役を愛してないのか?とびっくりしたのですが、この作品はひどかった。ボンドの女の扱いが。
ダニエル・グレイクのボンドは、「007慰めの報酬」しか見たことないです。そのときは、仕事だから女を抱く的な印象でした。女に興味無さそうな男だなあと。

以下、ネタバレ含みますので、見た人のみどうぞ。

続きを読む

ヘイトフル・エイト

ヘイトフル・エイト(原題:The Hateful Eight、2015年アメリカ映画、クエンティン・タランティーノ監督、丸の内ピカデリーにて鑑賞)

f:id:HMMGT:20160313160305j:plain

 

news.aol.jp

news.aol.jp

 この映画の美術監督種田陽平さんお勧めの丸の内ピカデリーで見てきました。こだわりの70ミリということなのですが、私はイマイチ画角のことがわかりません。画角が近いので画面が切れるのが少ないという理解でいいのでしょうか?上記のインタビューにもあるように密室なのにまったく飽きないのは、70ミリだからなんですね。観客に「代わり映えしない画面ばかり…」と思わせずに普通に見られる画面というのがすばらしい。
インターステラーをフィルム上映してくれた丸の内ピカデリーなのですが、残念ながらデジタル上映でした。フィルムで見てみたかった。


密室ミステリーと宣伝されていますが、そんなにミステリーでもないです。3時間もあるので、個人的に長い映画が苦手なので覚悟をして臨みましたが、全然しんどくなかったです。タランティーノの映画といえば、長い会話なのですが、今回は密室ということもあってか、会話が長く感じませんでした。要らないことしか言わないおしゃべり野郎がいてかなりイライラさせられて、早く殺されないかなーとか、首吊り請け負い人がやたら疑い深く、人を殺す仕事をしていると人が信用できなくなるんだなとか、意味のないおしゃべりはありませんでした。ちなみに私はタランティーノ映画の会話を楽しめるタイプです。でも、今回はそんな人じゃなくても大丈夫!


ミステリーではないですが、やはりあまり前情報は入れずに見たほうがいいと思います。日本公開時期のせいで、ジェニファー・ジェイソン・リーがアカデミー助演女優賞にノミネートされていたのを知っているので、ついついすばらしい演技なんだろうなと思いながら見てしまいました。そういうのが無しで見たかったです。
この映画は、見てない人に勧めるより、見た人同士であーだこーだいいたい映画です。気まずくなるエロシーンは皆無なので、異性の友達と見に行くのもOK!スイカ割りのような殺人シーンが多いのでそれが苦手な人は注意です。直接は映らないけど、ブッシャーという感じです。

f:id:HMMGT:20160313160521j:plain

※イメージ図

ジェニファー・ジェイソン・リー演じる女悪人デイジーは、殴られたり明日は首吊りになるという状況なのにイマイチ何を考えているかわからないのですが、○○と会ったときに人間らしい顔になり感情を出すところがすごく好きです。


『ヘイトフル・エイト』本予告

Re: LIFE~リライフ~

Re: LIFE~リライフ~(原題:The Rewrite、2014年アメリカ映画、マーク・ローレンス監督。日比谷シャンテにて鑑賞)

f:id:HMMGT:20160217222005j:plain


大きな声ではいいたくないけど、ヒュー・グラントが好きだ。軽薄そうな男前。高身長、高学歴…なのに、女癖が悪くて、売春婦を買って捕まり間抜けなマグショットを公開されたり、よくわからない女と子供を作ったり…好きになる要素ゼロ。
でも、映画を見るたびに彼のことが好きになって行く…


実は3か月前ほどにヒュー・グラント主演「リ・ライフ」を見ていました。
軽薄な男が真実の愛を見つけるという書くのも恥ずかしいくらいの王道のラブコメ。ラブコメって結局最後は真実の愛でハッピーエンドという型があるので面白くするのは本当に難しい。パターンもやりつくされているジャンルです。いろんな手を使いこのジャンルで楽しませてくれる人たちを私は尊敬しています。
さて、どうせハッピーエンドになる物語をヒュー・グラントを始め、俳優たちは素晴らしい演技で楽しませてくれます。エキセントリックまではいかない善良な普通の人たちをユーモアに見せてくれます。良質なラブコメはこの辺のさじ加減がたまりません。

f:id:HMMGT:20160217222021j:plain

右:家族の話をすると泣いてしまう校長。左:へんな癖を持っている同僚。

f:id:HMMGT:20160217222236j:plain

マリッサ・トメイ、キュート!ちゃんと中年に見えるのにキュート!でもスタイルは相変わらず抜群です。


ヒュー・グラントの相手役のマリッサ・トメイも最高です。最初はおばちゃんパワーでヒューに接近し、本気で嫌がられます。そして、もちろん徐々に気になる相手になるのです。私にとってのラブコメの醍醐味は、この「気になりだした」ってときです。気になる→気が付くと自分の頭の中にはその人しかいない→いても立ってもいられず伝えなきゃ!の流れがたまりません。
実はこの映画はその辺が弱いのですが、それは女も男も中年で性愛に燃え上がらない年齢だからだと思います。実生活でもそうじゃないでしょうか?中年で性愛に走ると重い話になってしまいます。
ヒューが昔15年前に取ったアカデミー賞のスピーチを見るシーンがあります。本物の若いときのヒューでものすごく美男子です。びっくりしてしまいました。でも、私は今のおっさんヒューが好きです。
10年に1本の傑作!や昼飯抜いてでも見ろ!というような映画ではありませんが、休日予定もなく家でなんとなく映画を見たいときに最適な映画だと思います。すごくいい休日を過ごせること請け合います。


ヒュー・グラント主演 映画『Re:LIFE~リライフ~』予告編

 

Re:LIFE~リライフ~ [Blu-ray]

Re:LIFE~リライフ~ [Blu-ray]

 

 

マッドマックス 怒りのデス・ロード

マッドマックス 怒りのデス・ロード(原題:Mad Max: Fury Road、2015年オーストラリア映画:ジョージ・ミラー監督、丸の内ピカデリーにて鑑賞)

f:id:HMMGT:20160212234355j:plain


公開半年遅れで今更ながらマッドマックス怒りのデスロードを見ました。新作公開時に旧作シリーズの特集がテレビであったので見てみたのですが、殴り合ったり死にかけたりというシーンは苦手でまともにみれず、新作も見に行く予定はありませんでした。でも、レディースデーだし映画を見たくなったので映画館へ足を運びました。


映画が始まってからセリフはほとんどありません。過去のトラウマも含め、肉体に迫ってくるような映像が続きます。突然、山海塾のような人たちにとっつかまって山海塾のような人がたくさんいるところに鎖で繋がれて痛めつけられ、とにかく乾燥している大地を襲われながら逃げる…ドライアイの私は見てるだけで砂埃で目が痛いです。ほとんどが本当にそんな戦いしたら死んでしまいますよね?というような死闘です。大したプロテクターもつけず、というかほとんど裸の人たちが地面や重装備の車にたたきつけられます。痛い!痛い!私はこんな痛いシーンは見られないので、DVDで見ているときは早送りしてしまいます。結局、何が何だか分からないという状態によくなるのですが、映画館でも目をつむってしまうので、あれ?どうなったのかな?やっぱり分からないということになってしまいました。無理!無理!怖すぎる。


公開当時は、ポリティカルコレクト的に正しいみたいなことがTwitter上で話題になっていたのですが、私はよくわかりませんでした。女が女を助けるのはそんなに珍しいことでもないし、結局男もいるし…調べてみるとフェミニストのアドバイザーを置いたということなので、ポリティカルコレクトは意識していたようです。でもそれは、シリーズ物でもあり、新しいアイデア/新しいアプローチを探るということでもあると思うのです。1人の男が孤独に戦うっていうのは飽きたな、と。シリーズものでなくても、すでにあるものと違うものを作っていくというのは自然なことだと思います。例えば、織田信長は実は女だったら?みたいに。物語は自由なのです。

シャリーズ・セロン演じるフェリオサは名前を含めて確かにかっこいい。けれど、性別を捨てています。私は女のまま戦う人のほうがわくわくします。
評判のよくない「ロング・キス・グッドナイト」なんか、ゾクゾクしてしまいました。


すばらしい編集と画面です。台詞も徹底的にそぎ落として画で見せる。ただ、この映画にはまる人は死闘場面のかっこ良さなのではないでしょうか?そこがダメな私は楽しめる素質がなかったのです。
雄大な自然を生かした場面は本当に絵画のように美しかったです。大きなスクリーンで見られて幸せでした。戦闘の場面は笑える要素もたくさんありました。ただ、怖くてあまり見れなかったのが残念でした。

f:id:HMMGT:20160212234516j:plain

拾ってきたキャプチャーでは伝わらないすばらしい画。スクリーンで見るべき映画。

 

f:id:HMMGT:20160212234635j:plain

これが核戦争後の戦意高揚部隊。

 

f:id:HMMGT:20160212235644j:plain

ロング・キス・グッドナイト

この映画が成功していたら、女性のアクションムービーがもっと作られた?

 

f:id:HMMGT:20160213000213j:plain

フェリオサ姉さん。

 


映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』予告2【HD】2015年6月20日公開

 

 

 

 

ロング・キス・グッドナイト [DVD]

ロング・キス・グッドナイト [DVD]